グローバル化が進む現在のビジネスシーンを勝ち残るには、組織やシステムを効率化した上で、変化に即応できる「瞬発力」を身に付ける必要があります。その一方で、法令の順守、事業継続性の確保、環境への配慮など、社会の一員として、企業として、考慮すべき事項は増えるばかりです。お客さまのビジネスニーズに合わせたソリューションをスピーディかつ包括的にご提供したい。その思いを叶える基盤として必要なことは何か。私たちが考え抜いた答えがこの「東京第一データセンター」です。
ダブルデッキシステムは、サーバ機器を置くエリアと、空調や電源などの設備関連機器を置くエリアを完全分離する画期的な方式です(特許出願中)。熱の発生源と空調システムを分離することで効率的かつ柔軟性の高い空調を実現すると同時に、動線分離による物理的なセキュリティ確保、高度な耐震構造の実現を同時に可能としています。高負荷サーバの安定運用を可能にする、データセンターの「新しい形」です。
コンピュータエリア全体を冷却するためのベース空調は、冷気を満たしたメンテナンスエリアとコンピュータエリアの圧力差を用いて、冷気を送り込む仕組みになっています。従来方式に比べると、緩やかな風速で送風できるため、冷気を直接給気しにくいラック最下段の機器も無理なく冷却でき、機器配置の柔軟性が向上します。
高負荷サーバに対しては、タスクファンと呼ばれる追加ファンを機器設置場所のメンテナンスエリア側に設置するだけの簡易的な工事でベース空調の風量を局所的に増やして冷却できます。また、超高負荷サーバ(ラックあたり約30KW)に対しては、局所的に排熱処理のできるレタンチャンバーに加え、超高負荷対応冷却ユニットをメンテナンスエリア側に追加設置することができるため、自由度の高い機器設置が可能です。
縦揺れ制振ダンパー、ブレース構造、基礎免震構造
地震には縦揺れと横揺れがありますが、従来の免震装置は横揺れの軽減のみの対策となっていました。直下型地震では大きな縦揺れが生じることが想定されます。東京第一データセンターでは、ブレース構造や基礎免震構造に加えて、縦揺れを回転エネルギーに変換することで振動を軽減する最新装置、縦揺れ制振ダンパーを組み込みました。
立地の安全性については、起こり得る災害種類と災害規模を想定し、第三者評価機関によるハザード分析を実施して確認済みです。想定した災害は、地震のほか、洪水や津波、高潮、火災、土砂災害、地盤災害、台風、落雷、さらには万が一の噴火による火山灰など多岐にわたります。ノイズ障害や振動障害が生じにくいことも調査済みです。
電力については、多くのデータセンターで電源設備の冗長化や自家発電装置の用意といった対策がとられていますが、私たちはそれだけでは不十分だと考えます。高密度化が進み、高負荷運用が当たり前になっている現在のサーバ機器は、十分な冷却を行わなければ安定稼働できないからです。そこに着目し、東京第一データセンターでは、電源系統にとどまらず、空調系統のについても冗長化対策を行っており、冷却用の管路に至るまで万全を期しています。
地球温暖化、東京都環境確保条例等を踏まえ、太陽光パネルやフリークーリングなどの様々な試みで、データセンターにおける通常消費電力の大幅な削減を実現します。