ITインフラとビジネスをつなぐ 運用管理ツールで課題解決

クラウド時代の 「運用の常識」(第2回)

運用管理を効率的に進めるために、ツールの活用が欠かせない。クラウドサービスや仮想化環境に向け、運用管理ツールは機能強化が図られてきた。今回は、運用部門が直面している課題を明らかにしたうえで、運用管理ツールを活用するためのポイントを解説する。

今こそ改めて標準化、自動化を

 今改めて各企業の運用管理において再チェックしてほしいキーワードに「標準化」と「自動化」がある。以下のポイントからの再点検を行い、対応策を検討したい。

(1)標準化
 中長期視点で10年間の運用を支える、標準化やルール作りがなされているかを以下のポイントでチェックする。
●People(組織・人)
 役割の明確化、開発・運用の分離、力量定義や育成計画、スキルの均質化
●Process(プロセス)
 運用業務設計、ITインフラ標準化、運用フェーズにおける作業量や課題の見える化
●Product(運用管理ツール)
 現場への定着化が重要。長期間信頼して付き合い、改善のためのPDCAサイクルを回せるか

(2)自動化
 以下の三つのシーンから、ツール活用により自動化、効率化が可能な業務がないかを調べる。
●People-to-People
 人から人への処理要求シーン。サービスデスクやITプロセス承認フロー
●Machine-to-Machine
 マシンからマシンへの処理要求シーン。ジョブスケジューラー、障害イベント自動化、HAなどの可用性管理
●People-to-Machine
 人からマシンへ、もしくはその反対の処理要求シーン。サービス要求申請→ITインフラ管理、ITインフラのイベント→インシデント管理、自動プロビジョニング

仮想化基盤をツールで管理

 当社のデータセンターでは、数百社の顧客システムを預かり、大規模なシステム運用管理を行っている。運用管理ツール基盤として、自社開発の「Senju Family」で標準化しており、運用オペレーションの徹底的な自動化を推進している。

 仮想化基盤環境についても運用管理ツールを活用している(図3)。仮想化基盤環境において、運用管理ツールを各部門の役割に応じて効果的に配置し、自動連携させることにより、サ ービス要求申請からサーバー提供までの時間短縮を図っている。それと同時に、監視と障害対応の自動化、基盤維持管理コストの削減などにもつなげている。

図3:NRIの仮想化基盤の運用管理事例


(初出:日経コンピュータ 2011年01月06日号)

野村総合研究所 システムマネジメント事業本部
千手事業部 部長

石井 信一郎
オープン系、Web系システムにおける運用管理ツールの設計・開発が専門。
運用管理ツール「Senju Family」の初期バージョンより設計・開発を担当。
NRI認定システムアナリスト、情報処理技術者(ITストラテジスト)。
(著者プロフィールは執筆時のものです)

お問い合わせ

株式会社 野村総合研究所
クラウドサービス本部
TEL:03-6706-0330
E-mail:sysm-info@nri.co.jp

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