ITインフラとビジネスをつなぐ 運用管理ツールで課題解決

クラウド時代の 「運用の常識」(第2回)

運用管理を効率的に進めるために、ツールの活用が欠かせない。クラウドサービスや仮想化環境に向け、運用管理ツールは機能強化が図られてきた。今回は、運用部門が直面している課題を明らかにしたうえで、運用管理ツールを活用するためのポイントを解説する。

 運用管理ツールと聞いたとき、どのような機能を想像するだろうか。

 運用管理ツールの役割は、以前は「サーバーやネットワーク障害の監視」や「バッチジョブのスケジュール管理」など、インフラ部分の管理が中心だった。ところが最近では、利用者ニーズの多様化や仮想化技術などの普及、ITILやJ-SOX対応といったビジネス環境の変化に伴い、様々な機能を備えることが求められてきた。

 運用管理ツールは、「ITインフラとビジネスとの連携」を目的に、システム運用管理とITサービスマネジメントの二つの機能分野をカバーしている(図1)

図1:運用管理ツールは、システム運用管理とITサービスマネジメントをカバー


●システム運用管理分野
ITインフラ環境の運用管理を支援。
例)イベント管理、サーバー管理、ネットワーク管理、ジョブスケジュール、性能管理、仮想化管理など。
●ITサービスマネジメント分野
ITILフレームワークのプロセスマネジメントを支援。
例)サービスデスク、インシデント管理、サービス要求管理、変更管理、構成管理、資産管理、サービス契約書(SLA)管理など。


IT運用管理が直面する課題

IT運用管理において現在、多くの担当者が直面している課題は以下の三つである。

(1)仮想化・クラウドに特有の課題
 最近のサーバー統合やクラウドサービスを支えるキーテクノロジーは、仮想化技術である。その活用により、物理サーバーの集約やリソースの有効活用、レガシーシステムの老朽化対策といったメリットが享受できる。一方で、仮想化・クラウド環境に特有の新たな課題も生じている。

(2)コスト削減と品質改善を両立
 TCOの6~7割を占めるといわれるシステムの運用・維持管理コストの削減は、厳しい経済環境下において最重要テーマの一つだ。一方で、複雑なITシステム環境の維持管理や、J-SOX対応に伴うIT全般統制など、運用部門の業務負荷は増加傾向にある。オペレーションや設定作業時のミスが原因で、システム障害が発生するケースも見受けられる。運用部門はコスト削減と品質改善の両立を求められている。

(3)ITサービスマネジメントの構築
 日本でも5~6年前からIT運用管理の効率化手法としてITILが注目され、運用プロセスの改善に取り組んでいる企業は多い。しかし、ツールは導入したものの期待通りの効果が出せない、あるいは運用現場に定着せずPDCAの改善サイクルが回せないケースなどがある。

以下では、上記3点の課題解決のために、運用管理ツールをどう活用すればよいかを説明する。

野村総合研究所 システムマネジメント事業本部
千手事業部 部長

石井 信一郎
オープン系、Web系システムにおける運用管理ツールの設計・開発が専門。
運用管理ツール「Senju Family」の初期バージョンより設計・開発を担当。
NRI認定システムアナリスト、情報処理技術者(ITストラテジスト)。
(著者プロフィールは執筆時のものです)

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