構成管理がより難しくなる 情報の量と鮮度を制御

クラウド時代の「運用の常識」(第8回)

仮想化技術を導入することで、構成管理の重要性は上がる。システムの柔軟性が高くなる半面、構成情報の量が増えると同時に、その鮮度を保つことが難しくなるからだ。解決策の鍵は、構成管理ツールの活用と、プライベートクラウド構築に伴う標準化にある。

【構築自動化】

 仮想化技術を取り入れた環境では、システムの構築作業を自動化することができる。自動化に当たっては、構成管理が必須と言える。

 仮想化ソフトを使えば、WebサーバーやDBサーバーなどを組み込んだ仮想マシンをテンプレートとして用意することが可能だ。これを複製することで、仮想マシンが簡単に増やせる。ただし、これだけでは、システム基盤構築タスク全体のなかで、環境設計や構築、単体テストをカバーしているに過ぎない。

 ここに仮想アプライアンスの考え方を取り入れることで、システム基盤構築タスクはさらに効率化できる。

 処理方式や耐障害性方式、運用方式やハードウエア/ソフトウエア選定の内容を標準化し、アーキテクチャーのパターン化を行う。そのアーキテクチャーを実現するサーバー(仮想マシン)を仮想アプライアンスとして用意するのだ。基盤総合テストまで実施しておけることが、従来のテンプレートとの違いだ。この仮想アプライアンスを自動構築することで、方式設計から基盤総合テストまでのタスクを省略し、構築作業のスピードアップとコスト削減が図れる(図2)

図2●プライベートクラウドで提供するPaaSにおける構築自動化の概要



 この手法では、利用者がサービスポータル画面から利用したいアーキテクチャーパターンと、必要な仮想アプライアンスの台数を指定。それを受けて、構築自動化システムが要求されたシステムを自動構築する。

 この流れにおいて構成管理は、(1)利用者が指定した台数の仮想アプライアンスをハードウエアリソース上に配置可能か、(2)そのハードウエアリソ ース上に仮想アプライアンスを配置した場合にソフトウエアライセンスの違反が起きないかという2点を確認し、仮想アプライアンスの配置を決めるために利用される。

(初出 日経コンピュータ 2011年03月31日号)

野村総合研究所 情報技術本部 先端技術開発部
グループマネージャー/上級テクニカルエンジニア

吉田 浩/杉田 豊
ITの調査・研究と、調査・研究したITの業務適用を行うテクニカルエンジニア。
専門は、運用技術およびストレージ技術、サーバー仮想化技術(吉田)
専門は、サーバー仮想化技術、Webアプリケーションフレームワーク技術(杉田)
(著者プロフィールは執筆時のものです)

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