構成管理がより難しくなる 情報の量と鮮度を制御

クラウド時代の「運用の常識」(第8回)

仮想化技術を導入することで、構成管理の重要性は上がる。システムの柔軟性が高くなる半面、構成情報の量が増えると同時に、その鮮度を保つことが難しくなるからだ。解決策の鍵は、構成管理ツールの活用と、プライベートクラウド構築に伴う標準化にある。

ライセンス管理がより重要に

 仮想化環境では数多くの仮想マシンが利用される。ここで問題になるのが、仮想マシン上で動かすソフトウエアのライセンス管理だ。

 従来、物理サーバーとソフトウエアのライセンスは、1対1で静的にひも付いており、ほとんどのケースで物理サーバーと一緒に購入していた。そのため、購入時に注意を払っておけば、その後はライセンス違反などを気にする必要はなかった。

 ところが、サーバーを仮想化することで、仮想マシンの複製や物理サーバ ー間での移行、CPUリソースの割り当て変更などが容易に行えるようになる。仮想化環境では、ソフトウエアのライセンス違反に陥りやすい。

 仮想化環境におけるソフトウエアライセンスの考え方は、物理サーバー使用時よりも複雑だ。にまとめたように、主なパターンは三つある。特に気をつける必要があるのは、表に示したパターン3に当てはまるソフトウエアである。物理サーバーが搭載するCPUにライセンスがひも付いているので、物理サーバーと仮想マシンの関係性を管理していないと、ライセンス違反に気づけない。

表●仮想化環境におけるソフトウエアライセンスのパターン例



 逆に言えば、物理サーバーと仮想マシンの関係性を管理していないために、余分にライセンス費用を支払っているようなケースも考えられる。こうしたライセンスの課題を踏まえると、仮想化技術の導入がさらに増えることが想定される今後は、ライセンス管理の監査をより厳しく行うことが求められる。構成管理の必要性はさらに高まるだろう。

野村総合研究所 情報技術本部 先端技術開発部
グループマネージャー/上級テクニカルエンジニア

吉田 浩/杉田 豊
ITの調査・研究と、調査・研究したITの業務適用を行うテクニカルエンジニア。
専門は、運用技術およびストレージ技術、サーバー仮想化技術(吉田)
専門は、サーバー仮想化技術、Webアプリケーションフレームワーク技術(杉田)
(著者プロフィールは執筆時のものです)

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