共用のシステム基盤で効率化 自動プロビジョニングを進める

クラウド時代の「運用の常識」(第6回)

システム基盤には今、ビジネス変化への迅速な対応や、コスト削減が求められている。要求に応えるには、共用のシステム基盤を作る必要がある。標準化や仮想化、自動化を推し進めたシステム基盤とはどういったものか。構築事例を基に、コンピューティングリソースをうまく運用管理するコツを解説する。

プロビジョニング自動化を実現

 最後に紹介するのは、自動化に関する二つの取り組みである。一つは、仮想化基盤の構築で実現した「仮想化による自動化」。もう一つは、「セルフサ ービスによる迅速な対応とコスト削減」である。

 共用システム基盤においては、仮想化技術を徹底的に活用してコンピューティングリソースを提供する際の自動化を実現している。その前提となるのが、あらかじめリソースを在庫として用意しておくリソースプールの構築だ。サーバーとストレージを標準化し、両者を分離したうえで、それぞれのリソースを仮想化してリソースプールを作った。

 サーバーのローカルディスクを一切使用せず、CPU/メモリーとディスクを完全に分離している。サーバーリソースプールとストレージリソースプールを独立化させたことで、後から両者を自由に組み合わせることが可能になった。リソースプール内でのリソースの物理配置は、管理ツールを使って自動化し、人手による管理は行わないことにした。

 その結果、サーバーやストレージを追加する際は、物理的な追加作業を行った後に管理ツールからリソースプールに登録するだけで利用可能となる運用が確立できた。リソースプールからリソースを切り出して、仮想サーバーをプロビジョニングする作業も、自動化できている(図3)

図3●仮想サーバーを自動でプロビジョニング



 従来は、システムごとにシステム基盤を設計・構築し提供していた。そうしたやり方に比べると、標準化されたシステム基盤でプロビジョニング自動化を実現することにより、OSを含むシステム基盤提供までの時間を95%削減することが可能になった。

 プロビジョニング自動化の実現は、迅速な対応とコスト削減というメリットに加えて、人手によるミスのない「高品質な基盤提供」を可能にする。また、プロビジョニングの自動プロセスの一環とすることにより、システムに関わる構成情報の更新が、簡単かつ確実に行えるようになる。実際、運用管理ツールと基盤管理ツールを連携させることで、構成管理を自動化し、変化が激しい環境のなかでも確実に構成情報を更新するようにしている。

野村総合研究所 システムマネジメント事業本部
運用マネジメント部 上級テクニカルエンジニア

村上 知弘
入社後すぐにデータセンターのハウジングサービス提供、仮想化基盤の規格・設計・構築に携わる。
現在は、運用業務をシステム化し、品質の向上や、効率化など、運用の高度化に取り組んでいる。
(著者プロフィールは執筆時のものです)

お問い合わせ

株式会社 野村総合研究所
クラウドサービス本部
TEL:03-6706-0331
E-mail:sysm-info@nri.co.jp

ページのトップへ