共用のシステム基盤で効率化 自動プロビジョニングを進める

クラウド時代の「運用の常識」(第6回)

システム基盤には今、ビジネス変化への迅速な対応や、コスト削減が求められている。要求に応えるには、共用のシステム基盤を作る必要がある。標準化や仮想化、自動化を推し進めたシステム基盤とはどういったものか。構築事例を基に、コンピューティングリソースをうまく運用管理するコツを解説する。

 クラウドコンピューティングの普及が進むなか、システム基盤の運用管理には二つの大きな課題が突きつけられている。一つは、加速するビジネス環境の変化に対して「迅速な対応」を行うこと。もう一つは、コンピューティングリソースを集約化・共有化して運用管理にかかわる「コスト削減」を実現することだ。

 この二つの課題を解決するには、システム基盤を「標準化」することが欠かせない。「仮想化」技術を取り入れ、「自動化」をより推し進めていく必要もある。

 野村総合研究所も、こうした課題の解決を目指し、プライベートクラウド基盤の改善に取り組んだ。そこで重要だと考えたのは、システムの品質向上である。ここでいう品質とは、システムトラブルを最小に抑えるということだ。システムトラブルは、ビジネス上での機会損失が大きい。

 では、システムトラブルの原因は何だろう。様々な要因が挙げられるが、その一つは、人手による作業であると考えた。そこで、システム基盤の改善に当たっては、できるだけ人手のかからない仕組みを目指した。

 先に挙げた運用管理への要求を実現するために、標準化、仮想化、自動化の順番で、私たちが実施したシステム基盤の改善作業を説明する。

野村総合研究所 システムマネジメント事業本部
運用マネジメント部 上級テクニカルエンジニア

村上 知弘
入社後すぐにデータセンターのハウジングサービス提供、仮想化基盤の規格・設計・構築に携わる。
現在は、運用業務をシステム化し、品質の向上や、効率化など、運用の高度化に取り組んでいる。
(著者プロフィールは執筆時のものです)

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株式会社 野村総合研究所
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