ミスを防ぐ組織体制を作る 自動化、標準化、可視化が鍵

クラウド時代の「運用の常識」(第5回)

クラウドや仮想化がシステムの共用を促進。それに伴い、システム運用がより複雑になってきた。こうした状況で人為的なミスを減らすには、運用の自動化や標準化を推し進めることが得策だ。サーバーやジョブの数といった基礎数値に加え、運用プロセスまで可視化することで、運用改善の糸口がつかめる。

自動化によりミスは防げる

 最初の課題は運用の自動化である。かつて、野村総合研究所のデータセンタ内のオペレーターエリアは非常に騒がしかった。100を超えるシステムごとに監視用コンソールを設置。様々なシステムでアラートが上がると、そこに人々が集まる。コンソールの画面を見ながらオペレーターが担当者に状況を電話で伝えたり、担当者からの指示を受けてバッチジョブのコントロールやトラブル対応の手順を実行したりする。場合によっては巨大スクリーンでテレビ会議を開きながら利用者にトラブルの対応状況を説明する─。どの会社の運用部門でも見かける光景ではないだろうか。

 現在はどうか。オペレーターエリアは静寂に包まれている。運用管理ツールの進歩に伴い、以前は人が行っていた作業の一部を運用システムが代替できるようになってきたからだ。例えば、システムが発したアラートはメールや電話を通じて自動的に担当者に伝えられる。トラブル対応の手順は、あらかじめ用意されたシェルやコマンドをツールが実行するだけ。オペレーターはトラブルが発生したことに気づかないことすらある。

 野村総合研究所がこのような運用自動化を進められた背景には、運用管理ツールの機能向上がある。しかし、その活動を進めてきた大きな狙いは、前述の通り品質の維持である。たとえ熟練のオペレーターでもミスをすることはある。人はミスを犯すものだ。しかし、システムはそうではない。ミスが許されない正確さが要求される運用のような業務こそ、自動化を進めるべきなのである。

野村総合研究所 システムマネジメント事業本部
運用マネジメント部 主任

北山 誠
大規模システムの運用業務プロセス設計、運用受け入れを主に担当。
ここ数年は運用可視化活動の推進に当たる。ITIL V2 Manager資格を持つ。
(著者プロフィールは執筆時のものです)

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